まいたけ味

まいたけの味がします。作品レベル以下のアウトプット墓場

ションヤンの酒家

監督:フォ・ジェンチイ
何の前情報も評判もなく見たという事はやはり影響があるんだと思う。
世の中には当たり前だけどたくさんの映画が溢れていて
誰かの評判とか記事とか解説が無ければ選択して見る事はまずないし
その場合、少なからず何かを期待してそれを手に取っている。
この映画に対して、タオ・ホンの目力以外に何か期待をしていたら
どういう印象になったのだろう。今となっては分かりようもないのだけど。


前半のオーソドックスな「自立して頑張る女性を描く」的な内容から一転、
後半にさしかかってくると、この街の映像の重さとストーリーが一気にリンクし始める。
それは展開が変わったとか、話が切り替わったのではなくて、
最初からそうだったんだという事に気づかされると言った方が正しい。
その瞬間からこの映画は圧倒的な魅力を持って、ラストカットまで呆然と引き込まれた。


リビングのHDDに録画していたのでたまたま母親も見ていたのだけど
彼女も「これ、良い映画だったねえ」と言っていたので、
実は評判の映画なのではと思いシネスケを見てみたが、
決して高評価と言えるようなものではなかった。


そんなワケで人には勧められない映画という事になった。
なんだかんだ言って、やっぱりそれはとても残念な事だ。


ションヤンの酒家 [DVD]

ICO / ソニー・コンピュータエンタテインメント

発売当時、BOOK OFFに出てた中古買いをためらってから、
その後やはり買おうと思って中古が出るのを待ち続けて早数年。
BESTシリーズで1800円だからもはや中古の方が高いじゃんと言う事にやっと気づく。


世界観・グラフィックとかは評判通りの文句なし。
操作性というか視点が自由にならないのがちょっとやりづらかったのと、
謎解きが単調でやらされてる感が強いのが何だった。
っていうか城がパズルになってて脱出できるという事自体が
ストーリー上で全く必然性がないからどうしてもそうなるのかもね。
しかも結局はボスを倒して脱出するんじゃんか。
色々仕掛けを解いて門を開けた事にちょっとは意味を持たせて欲しかったなあ。


関係ないけどヨルダの容姿と挙動が職場の女の子に似てて
あぶねえよ○○とか言って関係ない所で面白かった。


ICO PlayStation 2 the Best

コールドマウンテン

監督:アンソニー・ミンゲラ
なんかニコール・キッドマンのファンサイトかというくらいに
キッドマンの映画が多い事に気づいた。
まあ好きな女優ではあるけど、特に選んでるワケじゃないよ。
単純に仕事量が凄いんだろうね。しかも良い仕事してるし。
引き換え前夫の映画は最近ロクなのがない。
まあ見る気もしなくて見てないから分からんけど。


ヒゲ面のジュード・ロウモウリーニョにしか見えないという事が
どうにも僕の集中力を欠かせる。
ちょっとだけジェナ・マローンが出てたりナタリー・ポートマンとか
F・S・ホフマンとかキリアン・マーフィとか、
ジュードの逃避行中に豪華キャスト?が楽しめるようになっておりまして、
純愛・戦争モノをミンゲラ得意の文芸風味に仕立てた映画だろうと思ってたんですが
どっちかって言うとロードムービーとして楽しむ映画じゃないかと。


ドッグウィルを見た後だからそう感じるんだろうけど
キッドマンにつきまとう悪者役が全然悪くない。
美女が孤独に一人暮らしなのにレ○プどころかストーキングもしない。
モウリーニョへの愛を貫いてるって言うより、
ヒマだからそれしか考える事がなくて、非力だからそれしか頼りがないだけ。


とまあそんな感じで軸のストーリーは薄っぺらいですが、
モウリーニョが帰還するまでの各エピソードは良かったし、
それぞれの役者もみんな見せ場というか持ち味が出てて、
さすがモウリーニョは采配が上手いなあとか意味の分からない事を
思ってしまってまたもや集中力を欠きます。
チャーリー・ハナム君って初見だけど重要な役もらってるし、
若き日のマルコム・マクダウェルを思い起こさせる感じで今後期待。


ところでマルコムはまだ役者やってたんだね。
yahooで見たらとってもジジィでビツクリしたので勢いでURLを記載。
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail?ty=ps&id=42118&t=ph&dsp=l&b=1


コールドマウンテン [DVD]

アゴイサムノグチ

あんまり寒いせいか最近アゴが痛い。
アゴが痛いなんてワタシ初めて。
というような事を言うと、まあもう歳だからねーみたいな話になる。
そんな風に人は歳を取って行くんだね。とか。


たまたまだけど、田舎に帰るとか実家に帰るとか言う人が
同年代でちらほら発生し始めた。結婚率も高くなってきたし
マンション買ってローン背負ってる人も多い。
そうやってみんなBODYの老化に対応してる。
とにかく震度5で潰れるマンションじゃない事を祈る。


僕はやっぱりまだ、アゴが痛くない方向で頑張りたい。

SAW

監督:ジェームズ・ワン
珍しく?話題モノ。普通に面白い。
途中でオチに気づいてしまった人じゃなければ楽しめたと思う。
僕は気づかなかったのだけど、気づく可能性は十分あるなとも思うので
そこで評価は分かれる所だと思われます。
気づかなかった人にとっては、
それを考えさせないだけのテンションがあったという事になるし
気づいちゃったという人にとっては、
話がつまんねーから気づいちゃうんだよと言う事になるわけだからね。


とか言う事は実は二の次で、この映画で一番良かったと思った点は、
CUBEのようにシチュエーションだけの映画にならなかった事。
逆に言えばシチュエーションのみで勝負して成功したとしたら
凄い作品だと賞賛するまでに至ったかもしれないんだけど。


というワケで無難に面白い映画として認定されて文句ありません。


SAW ソウ DTSエディション [DVD]

エレファント

監督:ガス・ヴァン・サント
コロンバイン高校銃乱射事件に関わる数人の一日をそれぞれ描いた映画。
マイケル・ムーアのそれとは違い、事件の真相や裏側を解明しようとか言うモノではなく、
逆に犯人の二人に関する描写はかなり限られている。
実際にどうであったかは知る由もないとしても、犯人の人物像を語ることがない以上、
どういう理由で事件が起きたのかという”説”さえもここには無い。


ある事実を誰かが脚本化して監督する以上、
少なからず作り手の意図だったり主観が入り込むのは間違いない。
多くの場合それを面白さとするのが映画だったりするワケだけど
この映画においては全てのシーンを一定のスピード・あやふやな視点で撮ること、
プロの役者を使わない事などで、作り手の感情が見えない演出がされている。


この高校にどんな人たちが居てどんな生活をして、
それでこんな事件があったよという事以外に特に何もない。
そういう映画に対して、普通に感じてしまうだろう違和感を
こういう不条理な事件に対する違和感としてしまってよいのか、
はたまたムーアの様に何かしらの目的や解決を目指して語るべきなのか、
とにかくまあ、気持ちの悪い映画である事は間違いない。


エレファント デラックス版 [DVD]

リアリズムの宿

原作:つげ義春
監督:山下敦弘
さもすればえらい事地味になるか、サブカル臭的色づけになるかと
思っていたが、良い意味で期待を裏切られたと思う。
つげ作品の映画化、ドラマ化は結構多くあるけれど、
僕が見たものは原作に忠実なものがほとんどだった。


僕はつげファンであるし長塚圭史尾野真千子は好みの役者なので
この作品に関しても原作どおりに地味な感じで十分楽しめると思っていたし、
まあそれを想像・期待して見たワケなのだが、
ロードムービー要素と笑いを多く取り入れる事で
それなりに上手い事エンタメとして仕上げてあるのだ。


最初の宿の外国人主人の流暢な日本語とか、
人の良い田舎ヤンキー宅の気まずさとか、
リアリズムの宿におけるフロ上がりの長塚のセリフとかはかなり笑える。
しかも、キャスティングについてオーラゼロの山本浩司を使う事で
容姿の良い上記二人では出ないつげ的な地味さを出していて、
原作に忠実だが有名な役者を使った他のつげ映画よりも
よりつげ的な感触を味わえるような気さえした。


山下敦弘は初めて見たのだけど、
他も評判が良いようなので要チェキラ☆Byこずえ鈴


リアリズムの宿 [DVD]