まいたけ味

まいたけの味がします。作品レベル以下のアウトプット墓場

エレファント

監督:ガス・ヴァン・サント
コロンバイン高校銃乱射事件に関わる数人の一日をそれぞれ描いた映画。
マイケル・ムーアのそれとは違い、事件の真相や裏側を解明しようとか言うモノではなく、
逆に犯人の二人に関する描写はかなり限られている。
実際にどうであったかは知る由もないとしても、犯人の人物像を語ることがない以上、
どういう理由で事件が起きたのかという”説”さえもここには無い。


ある事実を誰かが脚本化して監督する以上、
少なからず作り手の意図だったり主観が入り込むのは間違いない。
多くの場合それを面白さとするのが映画だったりするワケだけど
この映画においては全てのシーンを一定のスピード・あやふやな視点で撮ること、
プロの役者を使わない事などで、作り手の感情が見えない演出がされている。


この高校にどんな人たちが居てどんな生活をして、
それでこんな事件があったよという事以外に特に何もない。
そういう映画に対して、普通に感じてしまうだろう違和感を
こういう不条理な事件に対する違和感としてしまってよいのか、
はたまたムーアの様に何かしらの目的や解決を目指して語るべきなのか、
とにかくまあ、気持ちの悪い映画である事は間違いない。


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