まいたけ味

まいたけの味がします。作品レベル以下のアウトプット墓場

深呼吸の必要

監督:篠原哲雄
うーん。やっぱりそうか、そんな感じだな。
言うなら映画ファンなんですかね。何かを模倣したりベッタベタである事を
放棄するどころかあえて喜んでやってるような気がする。
だって好きなんだもんの開き直り。
ベクトルが全く違うけどタランティーノとかと一緒ね。
安田大サーカスも息切れするほどのベタフェスタ。
クロちゃんの紙吹雪のストックが心配で心配で。


まあでもベタな人なんていくらでも居るワケだから
なぜあえて篠原に文句つけるかと言えば、
それ以外の部分はかなり良いと思えるからなのです。
サトウキビを刈る工程の反復が映画の軸としての絶対的な基点となっていて、
進行のポイントでは決してその描写をサボる事をしない。
これがとても心地よく、そのリズムを感じる事がこの映画の
最大の見所と言っても過言じゃないでしょう。
ほとんどその力だけでこの映画は2時間持つのだから。


こういう映画的な才能なのかテクニックなのか分からないけど、
能力を持ち合わせた人が、なぜストリーや人物設定に関してこうも無頓着なのか。
別に奇を衒った話にしろとか、アっと驚かせろとか上手いと唸らせろとか
言ってるのではなくて、まったくその逆だ。余計な事をするな。
キビ刈りのバイトに集まった6人の中に、なんで元甲子園のスターが居て、
リストカッター高校生が居て、仕事と命の重さに悩む医者が居て、
わざわざ台風の夜に車で出かけて事故って、この中にお医者様は居ませんか
とか言う必要があるのか分からない。


ベタの必要。っていう映画論でも出してくれないかね。出たら読むよ僕は。
ちなみに、エンディングでマイラバの曲を久々に聴いたけど、
やっぱコバタケは良い曲書くなあと思った。なんで消えたのかね。日本って分からん。


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