21グラム

監督：アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
なんか、似たような感触の映画見たなあと思ったらアモーレスペロスの監督だった。
そう考えるとちょっと落ちる。役者のレベルは明らかに高い人を使っているのだから、
ちょっとどころじゃないかもしれない。


前述通り、同じような感触はあったと思う。
プロット的なものなのか絵的なものなのか分からないけど
両作品とも全体に適度な重さがある。
決して重過ぎず、見ている最中に重いよーとか思う事はなくて、
逆に軽い感覚で見れている気がする。
そのバランス感覚は素晴らしいなと、今思った。


それでも前作より落ちると言えてしまうのは、
前半のカットバックによるベタな演出と、
表題の「21グラム」というテーマにある。


まず前者については昔から思っていたのだけど、
カットバック自体がストーリーであったメメントは大いに認めるが、
ストーリー自体を複雑にするのではなく、経緯を順に追わせない事で、
単調さをごまかそうとするだけの演出はハッキリ言ってうざい。
話を見えやすくする為のモノであれば良いかとも思うが、
あの無意味に未来の映像を流した時間分、
生意気シャルロット＆ショーンペン夫婦の話を深くやった方が良い。


次に「21グラム」っていうベタなウンチクはなぜわざわざ
タイトルに取ってつけられたのか？
このストーリーに全然関係ないし、何の深みも与えていない。
魂の重さなんて安いファンタジックなウンチクなんて
持ってこないで普通に心臓の臓器の重さでいいじゃん。
ナオミが求めたのは肉体的な結末なんだから。