クジラの島の少女

この作品のテーマとかキャストとか映像とか演出とか。
とてもシンプルで直球で、ジャケットやあらすじから期待させる内容をほとんど裏切らない。ラストまではね。
そのシンプルさが、このジジイの人間としての薄さを目立たせていて、それがどうにも鼻につく。ジジイは結局のところ、孫娘を認めたのではなく、彼女の持つ伝統の力にひれ伏しただけだ。手のひらを返したように祭り上げるラストシーンには、彼女に対する愛情のかけらも感じられなければ、生涯をその因習に捧げてきた事に対するプライドも感じられない。
村の男子から後継者が出なかった時点でジジイは自殺するべきだった。
そしたら素直に泣ける話になるのに。


と思ったけど、ニキ・カーロ監督って女性なのね。という事でちょっと納得した。