まいたけ味

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天国の本屋〜恋火

監督:篠原哲雄
理由は分からないけれどTV版濱マイクの「私生活」っていう話が
篠原作品だと思い込んでいたが、これ見た後に確認したら岩松了だった。
っていうちょっとした勘違いっていうか思い込みで、
篠原哲雄を見てみたいと思った為に見てしまったのだった。
いやまあ「月とキャベツ」とかも見てたし、
何気に岩松や橋口の助監督やってたらしいから
それほど誤解してたワケじゃなかったのだけど。


日本映画って(括れるかよってのは勿論の上で)言ってみると、
踊る大走査線みたいなエンタメ商業路線と、ヨーロッパの映画祭で人気を博す路線に
大きく分かれるのではないかと思われる。
僕は比較的、好みは後者寄りになるとは思うが、岩井俊二も好きだったりするワケで、
どちらにしろ良いものは良いのだと当たり前の事を言う。
で、篠原という人は、その両者をバランス良く栄養にしている人なのではないかと
なんとなく勝手に思い込んでいた。
でもこの作品に至っては、前者にしようという意図が思いっきり漂っていて、
竹内結子のパブリックイメージとあいまって、かなり鼻につく。


これには二つの原作があるみたいなんだけど、多分それはそんな悪くないだろうと思う。
二つをラストにくっつけようというアイディアも悪くないだろうと思う。
問題は結局一つ一つの話が圧倒的に薄っぺらい事。
竹内と香川が怒鳴りあうシーンなんて目も当てられない。
どんな事情があったとしても、1回しか会った事のない男にハイテンションで
他人の心の傷にズカズカと入り込む事を正しいと思っている女。完全に狂人。
それにマトモに張り合うステレオタイプな"昔は天才だった"世捨て男。


とまあ、その他モロモロ薄っぺらな所が目に付きまくりですが、
意外に鑑賞後感は悪くないのですねこれが。松任谷正隆の勝利かもしれないけど。
前述の勘違いの為、あと二本篠原のを録画してあるので、
とりあえずそれを見てポジショニングを決めようかなと思う次第です。


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